月を追うごとに成長していく乳幼児期の子ども。三輪車、足けりバイク、自転車……「何歳の、どの段階で、どんなのりものにチャレンジさせたらいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は、子どもがチャレンジしはじめるのりものの種類とタイミングの目安をご紹介します。
「1人でのりこなせるようになる年齢」ではなく、「パパ・ママが見守りながらのりもの遊びを始められる年齢」の参考としてご覧ください。
つかまり立ちをはじめた段階の子どもでもチャレンジできるのりものがあるのをご存じですか?
1歳の子どもでも、「のりものにのる」楽しさや体験を通じて運動能力を育むことができる「トレーニングバイク」が登場しているんです。
最初はバイクにつかまって立ち上がったり、サドルにすわるだけでも効果は十分。子どもにとっては、それだけで目線の高さが変わり、世界が広がる新鮮な体験になります。さらに、バイクに慣れて足けりで前に進むことができれば、動的な視覚認知力が発達していきます。そのほか、ひとりでのりおりをしたり、方向を変えたり、スピードを加減したり……。「最初はむずかしくても、チャレンジを続ける中で自分の思う通りにのれるようになった」という経験を重ねることで、達成感・満足感が得られるんです。
1歳の子どもは、多くのことを吸収し、どんどん「できること」が増えていく時期。ぜひ積極的にのりもの遊びにチャレンジし、さまざまな感情を経験させてあげてください。
ちなみに、この年齢で屋外に出て練習することは危険もたくさん。室内でのることを想定して、タイヤやハンドルなどやわらかい素材を使用しているものを選ぶと、床や壁を傷つける心配をすることなく遊びやすくなります。
足の力も徐々について歩きはじめるようになると、本格的にのりもの選びを考える方も多いのでは。自転車と同じ「二輪車」に慣れるということで、近年足けりバイクも人気ですが、最初は不安定な二輪車を恐がってのりもの遊びに少なからず抵抗感を感じてしまう子どもが多いのも事実。
そんなときは、足けりバイクよりも安定性がある「三輪車」を選ぶのもおすすめです。
「今どき三輪車なの?」と思われる方もいるかもしれませんが、実は三輪車が子どもの発育にもたらす効果は大きいんです。
特に注目なのが、体幹の発育。「いい姿勢を保ちながらペダルを漕ぐ」という三輪車の遊びは、体幹のトレーニングに最適なんです。この時期に体幹を鍛えると、姿勢がよくなり、さまざまなスポーツで必要なバランス感覚が身につき、さらには転びにくくもなると言われています。
ペダリングは、子どもにとって意外に難しい動作。ですから、三輪車に上手に乗れるようになることは、子どもにとって大きな達成感や自身も得られる遊びなのです。
走ったり、飛び跳ねたり足を使った運動機能がどんどん発達してきたら、足けりによる「二輪車・足けりバイク」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
足けりバイクのメリットは、なんといっても体重移動をうまく使う二輪車ならではの高度なバランス感覚を身につけられること。2歳を過ぎるころになると、運動能力の発育に伴って「からだを動かしたい」という本能的な欲求が湧いてきたり、自我が芽生えはじめて「自分でやりたい」という気持ちが出はじめます。バランスを取りながら足で蹴って進む足けりバイクでののりもの遊びは、そのころの子どもにとってちょうどいいチャレンジで、精神的な発育にも最適。しかも、前傾姿勢をとりながら足でけって加速することを身につけることで、かけっこも早くなりやすいと言われています。
ただ、足けりバイクで遊ぶうえで注意したいのが「ブレーキ操作」。
足で止めること・ブレーキすることを覚えてしまうと、自転車に移行したときにそのクセが残ってしまい、転倒や事故のもとになることがあります。「自転車にのる」という次のステップのことも考えるなら、ブレーキの付いた足けりバイクを選ぶのもおすすめです。
4歳前後になると、体も大きくなって「自転車」にチャレンジするのにちょうど良い時期を迎えます。それまで遊んでいた三輪車や足けりバイクが小さく感じたり、物足りなく感じたりした時も、ステップアップのタイミング。ぜひ、自転車デビューにチャレンジしてみてください。のれるようになることで、子どもの大きな成長を感じることができるでしょう。
自転車えらびで気をつけたいのは「サイズ感」。お子さまの身体に合わない自転車はのりにくく、上達が難しくなります。
子ども用自転車といっても、様々なものがあります。自転車の選び方については、こぐ育マガジン内でも紹介しているのでぜひご覧ください。
・「どのサイズがぴったり?子どもに合った自転車の選び方」
・「サドルを“ちょうどいい高さ”にするには」
今回ご紹介したのはあくまで目安。のりものと年齢・月齢の関係には個人差があります。
最も大切なのは、無理なくステップを踏んでのりものに親しんでいくこと。のりもの遊びをするときは、お子さんの成長度合いとここで挙げたのりものの特徴を参考にしてみてください。
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