子どもが自転車にひとりでのれるようになったときに、必ず教えてあげなければいけないこと、それが自転車の交通ルールです。
普段親子で行く場所以外にも行動範囲が広がっていくのは、とても喜ばしいことです。しかし、そこには事故の危険もともないます。交通ルールを知らずに運転することは、事故で命を危険にさらす可能性はもちろん、だれかを傷つける加害者になるリスクも高めてしまいます。
交通事故は「未然に防ぐ」ことが大切です。この記事では、パパ・ママが子どもに自転車の交通ルールをしっかりと伝えられるように、自転車事故の現状や自転車の交通ルール、そしてヘルメット着用の必要性についてくわしく解説します。
子どもの自転車用ヘルメットの選び方やおすすめを解説した記事はこちらをご覧ください。
目次
年間6万件以上も発生している自転車事故
交通事故はだれにでも起こりうるものです。交通ルールの大切さへの理解を深めるために、まずは自転車事故の現状と特徴をおさえておきましょう。
(データ引用元:警視庁「自転車は車のなかま〜自転車はルールを守って安全運転〜」)
自転車が関連する事故の件数は少しずつ減ってきていますが、それでも令和2年中には1年間で約6万6,000件の自転車事故が発生しました。うち当事者となった13歳未満の子どもは4,500人にものぼります。
交通事故全体に占める自転車事故の割合が増加
ここ十数年、交通事故全体に対しての自転車事故の比率はおおむね2割で推移しています。しかし、その比率は直近5年間では増加傾向にあり、令和2年度は21.9%でした。
自転車の交通ルールをしっかりと教わる機会があまりないのが現状で、なかなか大きな改善が難しい部分なのかもしれません。だからこそ、自転車の練習はもちろん、交通ルールも保護者の方が家庭で伝えることが大切なのです。
自動車と出会い頭に衝突する事故が多発
自転車事故のうち77%は自動車との事故です。対自動車の事故では、車体でからだが守られていない自転車を運転している側がケガを負う、または死亡する可能性が高く、大変危険です。
なかでも異なる方向から侵入してきた車と交差するときに出会い頭に衝突するケースが55%と最も多く、次いで右左折時の衝突事故が26%と、交差点での事故が約8割を占めています。これらは自転車側が周囲を確認せず不規則な動きをしたことや、一時不停止、信号無視が大きな原因となっているケースが多いと言われています。こうした特徴を子どもに伝えておく必要があるでしょう。
「自転車安全利用五則」を確認して守ろう
自転車は道路交通法上は「軽車両」であり、車のなかまです。子ども自身や周りの方の命を危険にさらさないためにも、警察庁がまとめた自転車の運転における大切なルール「自転車安全利用五則」を守った運転を心がけましょう。
パパ・ママも知らなかったこと、伝え忘れていたことがあるかもしれません。ポイントをわかりやすく解説しますので、子どもに伝える前にまずはこちらでおさらいしてみてください。
①自転車は、車道が原則、歩道は例外
交通ルールにおいて、自転車は車のなかまです。そのため車道と歩道のある道では、自転車は車道を走るのが原則です。
歩道を走っている自転車の存在は車側から気づきづらいもの。車道通行は車が真横を通過するため危ないように感じますが、車の運転者からよく見える位置だからこそかえって安全なのです。
ただし、車道走行の原則には次のような例外があります。
- 道路標識、標示により自転車の通行が可能とされている歩道を通る場合
- 運転者が13歳未満の子ども、70歳以上の高齢者、からだの不自由な方である場合
- 車道や交通の状況から見てもやむを得ない場合(道路工事や路上駐車で車道の左側が通れない、交通量が多く接触の危険があるなど)
こうしたケースでは、自転車が車道を走ることはかえって危険となるため、歩道の通行が許されています。からだが小さく運転技術や注意力も発達段階にある13歳未満の子どもには、できる限り歩道を通行するように伝えましょう。
②車道は左側を通行
自転車は車道を走る場合、道路の左側に寄って通行しなければなりません。
これは車などが自転車の存在を認識しやすいからです。
道路の右側を自転車が通行する交通違反は、歩道のない細い道でよく見られるケースです。車道右側の走行は、逆走です。車が向かってくる方に走りますので、車の運転手が反応を誤ると大変危険です。また自転車の運転トラブルがあった場合に車が反応できず、事故になってしまう可能性が非常に高いです。
歩道のない細い道などでは自転車が右側を通行する交通違反がよく見られるため、当たり前のルールと思わず、危険性を伝えましょう。
③歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
13歳未満の子どもは歩道を通行できるといっても、歩道は常に歩行者が優先される道です。自転車は車道寄りを、およそ10km/h 以下のすぐに止まれる速さで走るのがルールです。
また歩行者の通行を妨げるような場合は、一時停止しなくてはなりません。子どもには、人通りの多い場所では自転車を降りて押して歩くように伝えるとよいでしょう。
④安全ルールを守る
自転車で道路を通行するうえで、必ず以下の安全ルールを守らなければいけません。
⑴ふたりのりの禁止
⑵並進(自転車で横に並んで進むこと)の禁止
⑶夜間のライト点灯
⑷交差点での一時停止、安全確認
⑸信号を守る
⑹飲酒運転の禁止
ここから各項目について解説します。
⑴ふたりのりの禁止
6歳未満の子どもを幼児用座席にのせる場合などを除いて、自転車のふたりのりは禁止されています。子どもが「ママと自転車にふたりのりしていたのだから大丈夫」と考えてしまわないように、ふたりのりでは運転がフラついて危険なこと、5万円以下の罰金が科せられる違反行為であることを、改めて説明しましょう。
⑵並進の禁止
「並進可」の標識がある場合を除いて、自転車2台以上の横並び走行も禁止です。自転車が車道の中央寄りを走ることになって危険であるとともに、車道・歩道の通行の妨げとなってしまいます。2万円以下の罰金が科せられる交通違反にあたるので、「友達と話しながら走りたいときでも、事故につながる恐れがあるから並んで走ってはダメ」としっかり伝える必要があります。
⑶夜間のライト点灯
夜間に自転車で道路を通行するときには、前照灯と尾灯(または反射器材)をつけなくてはいけません。ライトをつけることは、道を照らして走りやすくするだけでなく、ほかの車やバイク、自転車などに存在を知らせる役割も担っています。
こちらの存在に気づいていない車はスピードを落とさず走る可能性があり危険です。必ず夜間はライトを点灯させましょう。
⑷交差点での一時停止、安全確認
衝突は、その多くが交差点での一時停止を守らなかった場合や、「止まれ」の標識のない見通しの悪い交差点で安全確認を怠った場合などに起きています。
一時停止を守ること、標識のない交差点でも徐行して左右の安全確認をおこなうことは、事故に巻き込まれないために必ず守るべきポイントです。
⑸信号を守る
信号機がある場合はその信号を必ず守り、安全を確認して通行するようしっかり教えましょう。
信号の見方など大人にとっては当たり前のルールも、自転車で一緒に移動しながら確認するなど、丁寧に伝えるようにしましょう。
⑹飲酒運転の禁止
大人になったときのために「お酒を飲むと脳の働きがにぶくなって安全運転ができないから、お酒を飲んだ状態で自転車にのることは絶対ダメなんだよ」ときちんと伝えておきましょう。小さい頃からの声がけが、子どもの未来を守ります。
⑤子どももヘルメットを着用
自転車にのる場合は、必ずヘルメットを着用させるようにしましょう。道路交通法では、以下のように子ども用ヘルメットの扱いを定めています。
「保護者の方は、13歳未満の子供にヘルメットをかぶらせるよう努めなければなりません。」(引用元:警視庁「自転車用ヘルメットの着用」)
13歳未満の子どもにヘルメットを着用させるのは保護者の「努力義務」です。「努力義務」は義務のうちのひとつ。子どもの命を守ることにつながりますので、ヘルメットを着用させましょう。
子供の安全のためにヘルメットを必ず着用させよう
「自転車安全利用五則」の五則目「子どものヘルメット着用」は、子どもの命を守るためにとても大切なことなので、さらにくわしく解説します。
自転車に乗る子どもがヘルメットをする重要性
平成28年〜令和2年の警視庁のデータによると、自転車事故で亡くなった方の約6割が頭部に致命傷を負っています。一方負傷事故では、負傷の主な部位は腕や脚が約6割を占め、頭は約1割にとどまっています。
また令和2年度の死傷事故におけるヘルメット着用者と非着用者のデータを比べてみると、非着用者の致死率はなんと着用者の約3倍にのぼります。
つまりヘルメットを着けている場合は頭部への損傷が防げたために、主に腕や脚を負傷する事故になっている一方、ヘルメットを着けていない場合の頭部への損傷が死亡などの重大事故につながりやすくなっている可能性が高いと言えるでしょう。
とくに子どもの場合はからだに対して頭が大きいことから、座席から落下して頭部を強く地面などに打ちつけるリスクも高くなります。
こうした危険から子どもを守るためにヘルメットの重要性が見直され、平成20年から道路交通法で13歳未満の子どものヘルメット着用が保護者の努力義務となりました。(データ引用元:警視庁「自転車は車のなかま〜自転車はルールを守って安全運転〜」)
ヘルメット選びでおさえておきたいポイント
子ども用のヘルメットを選ぶ際、おさえておきたいポイントは以下の3点です。
⑴安全基準を満たした証・SGマークの有無を確認する
⑵頭囲を測り、試着してつけ心地も確認する
⑶子どもが気に入るデザインを選ばせる
頭を守るために着用するヘルメットですから「確実に子どもの頭を守ってくれるか」が大切です。その安全面の基準となるのが「SGマーク」です。これは一般財団法人製品安全協会の定めた厳しい検査基準をクリアした製品だけに付けられるマークです。
もしも製品に欠陥があり、人身傷害が発生した場合には賠償金が出るほど。信頼性の高さがうかがえます。購入する際は、SGマークが入っているかをよく確認してくださいね。
次に、子どもの頭の大きさや形にぴったりフィットするかどうかを確かめます。安全をしっかり確保し、またグラグラして子どもが嫌がらないようにするためにも、ジャストサイズを選ぶとよいでしょう。できるだけ店舗などで試着してサイズや形を確かめ、また頭囲サイズを調節できるアジャスター付きのものを選ぶのがおすすめです。こども園や学校での身体計測時の頭囲を控えておくと、試着の際に選びやすく便利です。
最後にデザインです。もしものときのために、ヘルメットは自転車にのっているあいだいつも着けている必要があります。そのため「着けていてカッコイイ・かわいい・気に入っている」という子どもの気持ちも大切です。安全面を優先したうえで、子どもが楽しんでつけられるよう気に入ったものを本人に選んでもらうとよいでしょう。
SGマークのついたアイデスのヘルメット
子どものヘルメットを選ぶ際は、アイデスのヘルメットもぜひご覧ください。アイデスのヘルメットの特長は以下の4つです。
⑴SGマーク付きのヘルメット
子どもの安全をまず第一に考えるアイデスでは、SGマーク付きのヘルメットを多数取り揃えています。
⑵360度!リフレクター
気をつけたいのが夜道を走る際の安全。あらゆる方向からのライトを反射して光るアイデス採用のリフレクターが、子どもの存在をしっかりと車に伝えます。
⑶3Dパッドとダイヤルアジャスター
子どもの頭のサイズは成長にともなって変わるため、ヘルメットの頭囲サイズはかんたんに調整ができることが大切です。常にぴったりフィットを実現するため、アイデスのヘルメットは内部に3Dパッドを採用。ヘルメット後部のダイヤルアジャスターでかんたんに操作できるようになっています。
⑷子どもが大好きなデザイン
ディズニープリンセスや新幹線など、子どもが喜ぶデザインを多数取り揃えています。自転車にのりはじめる子どもが気にいるデザインがきっと見つかるはずです。
子ども用ヘルメットについてもっとくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
日本では年間6万件以上もの自転車事故が起きており、だれもが事故に遭うリスクを負っています。だからこそ自転車事故の特徴を知り、「自転車安全利用五則」を理解して守ることが大切です。
さらに万が一の事故に備えて子どもの命を守るためにも、子ども自身で必ずヘルメットを着用して自転車を運転する習慣をつけていくことも重要です。
アイデスのヘルメットは安全基準をしっかりと満たし、機能面・デザイン面でも日常的に愛用してもらえるように心をこめてつくっています。ぜひお試しください。
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