自分の力で三輪車のペダルを漕いで進めるようになったけんせいくん(当時2才)のママ、K.Oさんが教えてくれた「のれた!物語」を紹介します。
目次
少し早めの誕生日プレゼント
はじめて三輪車に興味を持ったのは、道行く同じ年くらいの子が乗っているのを見たとき。「あれ、なーに?」と好奇心いっぱいに聞いてきました。3才のお誕生日は少し先ではありましたが「ラビットライク」という三輪車をプレゼント。家に届いてさっそくまたがると息子は「わぁ!かっこいい!」と大満足の様子でした。
コントロールバーからの卒業は梅雨のおかげ?
三輪車が届いたその日に早速散歩がてらスーパーまで行ってみることに。まだペダルが漕げないので、コントロールバーでサポートしながらではありますが、息子はとても楽しそうでした。自分で「ラビットちゃん」と名前をつけ、その後も買い物や、散歩、公園などいろんなところに乗っていきました。ただ、人に押してもらうことが好きだったので、最初の頃は自分で漕ぎたいという気持ちにはあまりならなかった様子。そんな中、梅雨に入り、なかなか外に行けなくなると、ベランダを見た息子が「ベランダのラビットちゃんに乗ってもいい?」とポツリ。せっかくなのでコントロールバーを外して、広いベランダで自由に遊ばせてみることにしました。ペダルに足を置き、自分で漕ぎ進めてみることに。「あれ?うまくできない」「よいしょ、よいしょ」と悪戦苦闘する我が子。なかなか思うようにいかなかったようで、この日は結局、キックバイクのように足で蹴って進んでいました(笑)。
はじめて歩いたときのような感動
徐々に自分で三輪車を漕ぎたいという意思が出てくるようになり、天気の良い日は公園で練習。到着するとコントロールバーを外していざチャレンジ! 前に1漕ぎ、後ろに2漕ぎ。「いち、に…」と声に出しながら必死に自分でペダルを漕ごうとします。少し漕げたかな!?と思ったのもつかの間、「こげないー!」とすぐに悔し涙。そこまで悔しがる息子の姿に驚きましたが、それでも健気に頑張り続ける様子に思わず感動してしまいました。
そしてお盆休みに主人の実家に行った際、”その日”は訪れました。みんなが見ている中、はじめてひとりでゆっくりペダルを漕ぎ進めていった息子。その瞬間は自分でも驚いた表情を浮かべていました。私たちの方を見て、家族みんなが笑顔で喜んでいる姿を見ると「できたー!!」と最高の笑顔!そのときはまるで、はじめて歩いた時のような感覚でした。
三輪車レースにも出場!成長を実感
その後も、うまく漕げずに後ろに下がってしまうことは何度かありましたが、以前のように泣くことはなくなり、いつも笑顔でペダルを漕ぐことに挑戦するようになりました。きっと、一度漕げたことが息子にとって大きな自信に繋がっていたんだと思います。ひとりでスムーズに乗れるようになってからは、私たち家族に「見ていてね」と言ってひとりで漕ぎ進める姿を見せて喜んでいたり、長い距離を漕いで公園に行って、三輪車を持っているお友だちと遊んだり。もっと上手くなりたいという意思が芽生えたようで、たくさん練習するようになりました。本人が「出たい!」と言った、三輪車レースにも出場しました。障害物もあるレースだったので途中でやめてしまったりしないかと不安でしたが、一生懸命頑張り、結果は決勝戦まで進んで見事3位!挑戦することが苦手な息子がはじめてレースに出てたくましく頑張っている姿におもわず涙が出ました。
3位入賞で頂いたメダルは、息子の人生初のメダル。我が家の家宝として、息子の机のど真ん中に飾っています。最後までやり遂げた息子。この先の息子の強みになったと思います。
このレースの出場を機に、それまで私や主人に甘えていた道路の段差では、自らサッと降りて三輪車を持ち上げて越えていくなど、自分で考えて状況に対応しながら漕げるように成長しました。
子どもを信じて見守ること
今思うと、はじめの頃は、こちらが早く1人でペダルを漕いでいる姿が見たいあまりに焦って急かしてしまっていたなと思います。ある日「漕いでみたら?こっちにおいで」と少し離れたところから呼びかけたんですが、「できない…」と悲しむ様子や「乗りたくない」と言う姿を見て、ハッとさせられました。コントロールバーでサポートしながらでもお出かけを繰り返すうちに、徐々にハンドル操作をマスター。そこで自分でコントロールすることの楽しさを見つけたのか、「できた」「自分でやりたい」といった言葉が増え、自然と自力で漕ぎたいという気持ちが芽生えていったように思います。我が子を信じて、一歩下がって見守ることが大切なんだと学びました。
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