子どもの自転車のメンテナンスを定期的にしていますか?
・全然していないけど、メンテナンスって必要なの?
・気にはなっているけど、メンテナンスの仕方が分からない…
・洗車はしているけど、難しそうなメンテナンスはしていない
こんなメンテナンスに関する悩みや疑問を抱えたまま過ごしているパパ・ママは多いのではないでしょうか。
子どもがいつものっている自転車だからこそ、定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスをせずに放っておくと自転車の状態はどんどん悪くなってしまいます。突然タイヤがパンクしたりブレーキが効かなくなったりして、子どもの大きな事故やケガにつながるおそれもあります。子どもには安心して自転車にのってほしいですよね。
この記事では、安心安全に子どもが自転車にのれるようにかんたんなお手入れの方法をご紹介します。
目次
洗車
自転車が汚れてきたら洗車をしましょう。洗車をすることで自転車の小さな損傷にも気づくきっかけにもなります。
自転車を綺麗にする洗車方法
水道とホースが使えない集合住宅の場合は、バケツに水をためてベランダなどで洗車をしましょう。
洗車は
1:洗い
2:すすぎ
3:乾燥
の順に行います。
洗い
バケツに中性洗剤を適量入れて、水を注いで泡立たせます。できた泡はスポンジやブラシで自転車全体に馴染ませ、汚れを浮かせてください。タイヤやフォークの裏など汚れやすい部分はしっかりと洗いましょう。
すすぎ
自転車全体にホースで水をかけて、洗剤を落とします。水をかける際はゆっくりと、優しく水をかけましょう。勢いのある高圧な水をかけてしまうと、自転車のペダルの部分を中心としたデリケートな部分に水が入ったり傷んだりしてしまいます。ホースが使えない場合は、バケツに綺麗な水をためてスポンジやブラシで洗いましょう。
乾燥
すすぎが終わった自転車を乾拭きして、水分を拭き取ってください。それから水気がなくなるまで乾かします。
注意したいのは乾かす場所です。直射日光に当たるところだと自転車はすぐに乾きますが、タイヤが劣化しやすくなります。自転車を乾かす場所は屋根のついた自転車置き場など日陰があるところを選びましょう。
サビた部分にはサビ取りを
自転車にサビがついたままだと、ブレーキや変速機の動きが効きづらくなり事故の原因にもつながります。
サビ取りでは
・揮発性と呼ばれる、気体で噴射できるオイル
・ブラシ(ステンレス製)
・布
・軍手
・細かい紙やすり(あれば研磨剤入りのサビ落としクリーム)
この5つを使用します。揮発性のオイルを錆びた場所に吹きつけて(または塗る)、ブラシでやさしく擦りましょう。ある程度サビが取れたら、紙やすりを使ったりサビ落としクリームを布につけたりして、ブラシで擦った部分を磨きます。ブラシの擦りでついた傷を滑らかにしていきましょう。最後に新しいサビを予防するために、サビ取りで最初に使った揮発性のオイルを塗りこんでください。
サビの発生を防ぐために、まずは雨風が当たらない屋内や屋根のある日陰の場所へ保管することが大切です。
空気圧を確認してタイヤのパンクを防ごう
自転車のメンテナンスには、タイヤの空気入れも欠かせません。空気がしっかり入ることで自転車の漕ぎやすさに違いが出てきます。空気入れをこまめにおこない、タイヤのパンクを防ぎましょう。
空気入れの方法
まず自転車のタイヤについている空気を入れる突起の部分「バルブ」を調べましょう。実はバルブには3種類あります。
・英式(画像左):子ども用自転車やシティサイクルなどでよく使われている
・仏式(画像真ん中):ロードバイクやマウンテンバイク、クロイスバイクのスポーツ自転車などで使われている
・米式(画像右):太いタイヤのクロスバイクやマウンテンバイクのほかに、他国の子ども用自転車やシティサイクルなどに使われている
それぞれのバルブにあった空気入れを用意してください。
空気入れはポンプを最後まで押すことがポイントです。しっかり最後まで押しこむことでもっとも多くの空気が高い圧力で入ります。押している途中で固く感じてしまうかもしれませんが、あきらめずに最後まで押しきるのが、上手に空気を入れるコツです。
空気圧を確認するときのポイント
空気圧がきちんと入っているかを確認する際には3つのポイントをおさえましょう。
・硬さ:テニスボールほどの硬さかどうか
・側面:強めに押したときに、すこしへこむくらい
・接地面:自転車にのってみて、タイヤと地面が接している部分が10cm程度かどうか
またタイヤへ空気を入れる際には、
・タイヤの表面にヒビが入っていないか
・異物が挟まっていたり刺さっていたりしないか
といったタイヤの状態も確認しておきましょう。
ブレーキで安全を守ろう
ブレーキは、自転車のなかでもとくに大事な機能です。ブレーキが効かなくなると、止まれなくなってケガをしたり人にぶつかったりして危険です。家でできるブレーキまわりのメンテナンスには限界があります。ブレーキのしっかりしたメンテナンスや修理は自転車店へ依頼しましょう。しかしブレーキを日頃から意識的にメンテナンスすることで、損傷にいち早く気づき事故を防げます。
作動確認で見るべきポイント
工具がなくてもかんたんなメンテナンスは可能です。見るべきポイントは以下の4つです。
・ブレーキレバー(ブレーキのときに握るところ)
・ブレーキシュー(車輪のホイールを挟んでブレーキをかけるパーツ)
・アーム(ブレーキシューを固定するパーツ)
・ワイヤー(ブレーキレバーからブレーキ本体へ伸びるチューブ)
ブレーキレバーは握ったときの「動作」を確認してください。レバーを握ったり離したりしながら、動いている部分や部品が擦れている部分には、オイルを注入しましょう。
ブレーキーシューは、表面に油がついていると、油で滑ってしまい止まれなくなります。ブレーキシューだけでなく車輪のホイール部分にも油がつかないように注意しましょう。また表面に金属や砂粒がついていると、車輪のホイール部分を削り傷が入ってしまうため、取り除くようにしましょう。最後に表面がすり減って溝がなくなっていないかを確認してください。
アームは曲がっていないかどうか、動作が鈍くないかどうかを確認しましょう。アームの動きが悪いとブレーキする力が弱まってしまうため、効きが悪くなってしまいます。
ワイヤーは、外側のチューブ(アウターワイヤー)が金属のインナーワイヤーを覆って保護しています。チューブの部分が破損すると内部にある金属のワイヤーがサビてしまい、ブレーキの効きが悪くなります。また金属のインナーワイヤーの剥き出しになっている部分が切れかけたり、錆びたりしていたら自転車店に相談しましょう。
注油
洗車してタイヤの空気圧やブレーキを確認したあと、最後に注油をします。注油をすることで自転車の金属の部分が滑らかになりサビ防止につながります。注油してもよい部分は以下の2つです。
・チェーン(裏側)
・ブレーキレバーのワイヤー可動部(前・後)
ブレーキゴムの当たるリムやハンドブレーキの制動部、タイヤなど注油してはいけない部分もあるため、事前に注油してよいところかどうかはよく確認しましょう。
注油のタイミング
注油のタイミングは、実際にブレーキレバーの稼働部やチェーンを目視したり指で触ったりして確認します。汚れが目立ってきたり、動きが固くなってきたりしたら注油を検討するタイミングです。また洗車後にも注油をして、綺麗になった自転車をできるだけ長く保てるとよいですね。
自転車を屋外に保管している場合、まとまった雨が降ったあとは、サビ防止のためにできるだけ早く注油することをおすすめします。
注油の方法
最初にチェーンの部分は、ホームセンターなどで市販されている「パーツクリーナー」を吹きかけて、雑巾などの布を使って汚れをとっていきます。吹きかけ、拭き取り、チェーンを動かすを繰り返し、綺麗にしていきます。
そのあと、チェーンとブレーキレバーのワイヤー可動部に、チェーンオイルを差して注油します。ここで気をつけたいポイントは、チェーンにオイルを差す際は、ひとコマずつ染み込ませていくこと。オイルを差し終えたら、余分な油は拭きとっていきましょう。
乗車前点検も忘れずに
自転車にのり始めると各部品になじみができ、ゆるみを生じることがあります。のる前には点検をしてください。また1年に1回は自転車店に持っていき、定期点検をおこなうようにしましょう。
ハンドル
以下の2つを確認してください。
・ハンドルを両手で掴み、下方に力一杯押し下げる
・前輪を股に挟み、ハンドルを左右に動かす
いずれも動いてしまうと転倒の可能性があります。動いてしまう場合はネジを締め付けましょう。
サドル
サドルを上下、左右に両手で動かしましょう。動いてしまうと乗座が不安定で危険なため、シートピンを締め付けます。
ライト
点灯するかどうかを確認しましょう。電池式ライトが点灯しない場合は電池の交換をしてください。
各部のネジ
自転車を20cmほど持ち上げて地面に落とし、雑音が出ないか調べましょう。雑音が出る場合はどこかのネジがゆるんでいます。車輪、ブレーキ、チェーンケースなどのネジがついている部分を確認しましょう。
前後ブレーキの作動
前後のブレーキレバーを別々に引いたまま、自転車を押さえながら押し進め、車輪が回らないかどうかを確認してください。ブレーキの効きが悪い、ブレーキレバーのあそびが大きいときはすぐに自転車店で点検を受けましょう。
まとめ
子どもがお気に入りの自転車に安全にのるためには、定期的なメンテナンスが必要です。親子で、自転車を洗ったりタイヤに空気を入れたりなどのメンテナンスをすることで子どもも自転車を大切に使おうという気持ちが芽生えます。ただし、難しい注油は目に入ったり間違ったところにさしたりすると危ないため、パパやママがおこないましょう。そしてご家庭で修理できないブレーキ部分などは、無理をせず購入した店舗、または近くの自転車店舗へ持って行きましょう。
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