みなさんは子どもの運動神経に悩んだことはありませんか。たとえば「私の足が遅いから、親から遺伝して子どもの運動神経まで影響がありそう」「うちの子、生まれつき運動神経が悪いのかも」など、子育てをしていると運動にまつわる不安は尽きませんよね。
実は、子どもの運動神経に遺伝や生まれつきのよしあしはありません。今回は「運動神経」にまつわる基礎知識と、子どもの運動能力を高めるために本当に必要なことをくわしく解説します。
目次
そもそも“運動神経がよい”とは?
普段何気なくつかっている「運動神経がよい」「運動神経が悪い」という表現。そもそも、運動神経がよいというのはどういった状況を指すのでしょうか。
人間の機能をつかさどる神経系のなかに、実は「運動神経」というものはありません。運動神経がよいというのは「運動能力が高いこと」を指し、さらに運動能力は親からの遺伝や生まれつきのよしあしはなく、子どもの頃に体験した運動の楽しさや運動への興味次第で、後天的に伸ばすことができます。
「運動神経は遺伝」は誤解!
ママやパパが運動が苦手だと、子どもにもその運動能力が遺伝しているのではないかと不安になりますよね。プロスポーツ選手の子どもも運動が得意という話も珍しくなく、一見運動神経は遺伝しているようにも思えます。
しかし、運動神経というもの自体存在せず、これが遺伝することも誤解です。「遺伝しているのかも」と思うのは、もしかするとママやパパの運動への苦手意識が普段から子どもに伝わっているのかもしれません。反対に、いくら優秀なスポーツ選手の子どもであっても、環境が整っていないと運動能力は発揮されないでしょう。
運動能力を高めるためには、あそびを通した運動体験が必要です。無意識のうちに子どもから運動を遠ざけてしまわないよう、運動が苦手という方は子どもに積極的にからだを動かす運動あそびを体験させてあげるとよいかもしれませんね。
0〜6才の時期がとくに大切
「子どもの頃のあそびを通した運動体験が大切」とお伝えしましたが、そのなかでもとくに大切なのが0~6才の頃です。人間の成長過程をグラフにしたスキャモンの発育曲線によると、この時期に子どもの運動能力は飛躍的に伸びています。
(引用元:https://greenfield.style/article/2640/)
運動能力とかかわりがある神経型の成長を見てみると、4才頃には成人のおよそ80%、10才前後にはおよそ95%にまで達しています。著しく成長する0~6才の時期こそ、運動能力を高めるためには運動の機会を多くつくることが大切です。
“運動神経のよい子”=運動能力が高い子の特徴
運動能力は遺伝しない、生まれもったものでもない、とわかると子どもに運動能力を十分発揮してほしいですよね。そこで、まずは運動能力が高い子はどういった運動体験・動作をしているのかチェックしてみましょう。
多様な「動き」を経験している
幼少期の運動経験を通じて得られる動きは、大きく3つに分けられます。
- からだのバランスをとる動き…立つ、すわる、寝転ぶ、おきる、まわる、わたる、ぶらさがるなど
- からだを移動する動き…歩く、走る、はねる、とぶ、のぼる、おりる、すべるなど
- 用具などを操作するうごき…もつ、運ぶ、投げる、ころがす、ける、こぐなど
運動能力の高い子は、こうしたたくさんの動きを体験していることが特徴のひとつ。それぞれをみてみると決して複雑なものではなく、日常的な運動遊びのなかで体験できるものばかりです。
このようなさまざまな動きが組み合わされた運動をすることで、からだを上手にスムーズにつかう「コーディネーション能力」も身につきます。
→「運動神経の源である脳を鍛えるなら運動!運動習慣を身につけよう」の記事へ
成長の過程で運動をし続けている
一時期だけ運動をするのではなく、成長にあわせて運動をし続ける子は運動能力も発揮しやすいでしょう。くりかえし運動することで、動きが洗練されて力みやぎこちなさがなくなります。運動には合理的な動きが出てくるため、さらに複雑で行動な運動にも挑戦しやすくなるのです。
自発的にくりかえし挑戦している
小さなうちから専門的なスポーツ教室に通わせたり、親が運動のノルマ・ルーチンを与えたりして運動しても、実は子どもの運動能力は引き出せません。そうではなく、強制されずに「子どもがみずがら取り組むこと」が大切です。
好きで取り組む運動は、からだを動かすこと自体を好きになるでしょう。また子ども自身が考えて挑戦し、失敗を経て、またチャレンジして、やっと成功した経験を数多くもつことも重要。こうした成功体験の積み重ねは自己肯定感やチャレンジ精神を育み、新たな運動にも積極的に取り組むことができるという好循環が生まれます。
子どもの運動能力を高めるためにママやパパにできること
子どもの運動能力を高めるために、親ができることを見ていきましょう。
あそびの「時間」「空間」「仲間」を提供しよう
運動能力を高めるための運動経験には、何も複雑なスポーツが必要なわけではありません。多用な動きができ、成長の家庭で楽に続けられるからこそみずから取り組めるのは、日常的な子どもの運動あそびです。
あそびには、
- あそび時間
- あそび空間
- あそび仲間
この3点が必要不可欠。たとえば子どもの自由な発想であそべるように、広い公園へつれて行ったりアクティビティが楽しめる施設に行ったりするのもおすすめです。
また、ひとりでは十分な運動あそびはできません。ときには親が仲間の役割を担当しましょう。
自発的にさまざまな動きを経験できる“運動あそび”を取り入れよう
勝ち負けのあるスポーツや、ルールが難しいもの、体格差によってどうしても自分が不利になるような運動だと、子どもはすぐに楽しさをなくし飽きてしまいます。ポイントは「子どもが興味をもち、楽しく自分からできる運動あそび」という点です。
そうはいっても「うちの子は運動をしたがらない」「運動神経が悪いみたい」と感じる場合は、まだ自発的にできる運動あそびと出会っていないだけかもしれません。いろいろな運動を子どもと一緒に楽しみ、子どもに合う運動あそびを探してみるのも大切です。
成長と発達に合わせた“運動あそび”を提供しよう
小さな子にとって、かんたんなかけっこやおにごっこでも十分楽しめるアクティビティです。さらに成長すると、登山やサイクリングなどより広範囲で規模の大きな運動あそびを楽しめます。このように、子どもの成長と発達にあわせて運動あそびの種類も選ぶことが重要です。
子どもみずから自分に合う運動あそびを見つけることも大切ですが、もし難しければママやパパがお手伝いしてあげましょう。親ならではの目線で「うちの子に合う運動遊びは何かな?」と考えてみるのも楽しいですよ。
運動神経=運動能力を効果的に高める“のりものあそび”
ここまでご紹介した「子どもの運動能力を高める運動あそびの条件」ですが、これを満たしたものがのりもの遊びです。のりもの遊びをなぜおすすめするのか、またおすすめののりものもご紹介します。
“のりもの遊び”の魅力
自転車・三輪車などののりもの遊びは、
- ハンドル操作
- ペダルをこぐ
- ブレーキをつかう
などのたくさんの動作を組みあわせておこなうものです。こうした複雑な動作をくりかえすことで、コーディネーション能力が高められるほか、足をふみこむタイミング・力加減・バランス感覚など繊細なからだの感覚も身につくようになります。さらに、のりものは子どもにとって身近な存在であり、気軽に楽しめるアトラクション。のりこなすには練習が必要ですが、できるようになると達成感もあり「次はこれをやってみよう」「もっと遠くまで行ってみよう」とみずから取り組む楽しさも感じられるのです。
成長にあわせてステップアップ!アイデスのディーバイクシリーズ
(引用元:https://www.idesnet.co.jp/products/dbikeminiplus/)
アイデスでは、1才から小学生まで子どもの成長にあわせた三輪車・自転車が楽しめる、ディーバイクシリーズを展開しています。のりもの遊びをやってみたいけれど、安心して使えるかどうか悩みが多いものですよね。ディーバイクシリーズは無理なく安全に運動あそびを取り入れられます。さらに、「ちょっと難しい」ハードルを設定できるため次の子ステップを目指すチャレンジ精神や自発性も育めるのです。
子どもの「自分専用」ののりものを用意すると、運動あそびももっと幅広く楽しめそうですよね。自分だけのお気に入りを見つけて、ぜひのりものあそびを親子で楽しんでみましょう。
まとめ
運動神経は遺伝することなく、生まれもったものでもありません。運動神経がよい=運動能力を高めるためには、幼児期~学童期の運動経験が大切です。
運動は子どもにとって、楽しく続けやすいものを親が与えてあげましょう。のりものあそびは成長段階にあわせて選べるもので、さらに親子でも運動あそびとして楽しめます。ぜひのりものあそびを日常的に取り入れて、運動能力を育んでみましょう。
アイデスが発行するWebマガジン。「のりものと楽しむ子育てのかたち」を応援することをテーマに、自転車や三輪車やお遊びから子育てまで幅広い情報をお届けします!